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認知症高齢者が作成した「公正証書遺言」の効力

 


年の瀬も近づき、ご多忙の方が多い時期かと思いますが、
そのお忙しい時期に当社ブログをお読み頂きありがとうございます。


さて本日は、認知症高齢者が「遺言書」を作成する場合の注意点です。





まず、遺言書とは、故人が自らの意思を示す為に遺す文章の事を指しますが、
遺言を作成する際には、いくつか注意点があります。

1.満15歳以上である事
2.成年被後見人でない事(被保佐人・被補助人は可)
3.民法に定められて要件に従って作成されている事

他にも要件はいくつかありますが、本日は、上記2.「成年被後見人でない事」に関して、
新しい判例が出ましたのでご紹介させて頂きます。



【認知症高齢者が作成した公正証書遺言が無効と判断されたケース】

(事例)
高齢者Aさんは、病院に入院しており認知症の症状も出ておりました。
なお、日常の世話は全てAさんの妹さんが行っており、妹さんは、Aさんに
資産があった事から、公証役場で相談し、「妹さんXに全財産を相続させる」
という内容の遺言書を作成しました。
なお、同遺言書は、公証人に病院まで出向いてもらい、公証人が高齢者Aさん本人の
意思確認等をし、公正証書にて遺言書を作成しました。

その後、Aさんが死去しましたが、認知症が発症する前に作成された
自筆遺言証書が存在していた事が判明。そこには「妻に全財産を相続させる」
旨の記載がありました。(この時点では、妻は既に死去)

その後、法定相続人であるAさんの弟とAさんの妹Yは、Aさんの妹Xと揉め、
認知症であるのに遺言書を作成したとして、その公正証書遺言の無効を求め、
裁判所へ提起しました。


(判決)
1審の横浜地裁横須賀支部は、公正証書遺言作成時点では、認知症はあったものの
Aさんの意思能力はあったとして、「公正遺言書は有効」との判決を出しました。
しかしながら、その後、弟さんと妹Yさんは、東京高裁へ控訴。
東京高等裁判所は、これまでの経緯などを非常に重視し、「公正証書作成時点では、Aさんの
意思能力はなかったものと判断し、公正証書遺言は無効」である旨の判決となりました。


※平成25年3月6日東京高裁判決



以上のとおり、例え公正証書遺言で作成された場合においてもそれが
「本人の意思に基づき作成されたか?」
が、重要となります。




矢崎不動産オフィス株式会社
代表取締役 矢崎史生

 

更新日時2013年12月27日 17:00