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コラム「空中権」とは?

 

【空中権売買・東京駅駅舎建築費用500億円を捻出した事例】

今回は、「空中権」に関してのコラムです。


最近、リニューアルされた東京駅丸の内側駅舎。

1914年に竣工した駅舎を全面改装し、今回の開業となりました。
この全面改装費用として500億円がかかりましたが、
JR東日本はその費用の大半を「空中権」売却により捻出しました。



さて、では「空中権」とは何なのでしょうか?





まず 「 空 中 権 」 とは、2つの意味があります。


まず1つめの意味としては、「空中を使う権利」。地上権とも言いますが、
自己の土地の地上や地下を独占的に利用する権利です。


つぎの2つ目の意味としては、今回のコラムでの主題である「未利用の容積率」を第三者に利用させる権利の事です。
未利用の容積率がある場合、ある条件を満たした場合、その容積率の一部を売却する事が可能です。
今回、3階建ての東京駅は未利用の容積率を外部に売却し、その工事費用に充当しました。


■容積率売買の例


【空中権売買前】

A敷地   敷地1000坪 容積率600% (延床面積6000坪が限度。実際は、延床面積4000坪使用) 

B敷地   敷地1000坪 容積率600% (延床面積6000坪が限度) 



【空中権売買後】

A敷地   敷地1000坪 容積率400% (延床面積4000坪使用) 

↓     (容積率200%(延床面積2000坪相当)を、100億円で売却

B敷地   敷地1000坪 容積率800% (延床面積8000坪が限度) 




今回、東京駅は未利用の容積率を近隣にある丸ビルや東京ビルへ約500億円で売却しました。




ちなみに、この空中権売買は、どこでもできる訳ではありません。

一つの敷地内であれば容積率移転は可能ですが、今回の東京駅の様に
近隣のビルへ売却することはできません。

空中権売買を実施するには「特例容積率適用区域」に指定されている
地区のみが可能となります。

※現在「特例容積率適用区域」に指定されている場所は、大手町・丸の内・有楽町地区のみです。



~余談~
2010年公開、クリステイーナ・アギレラ主演のアメリカ映画、「バーレスク」でも
この空中権売買が映画の中で出てきました。

ロサンゼルス市内にある経営不振のショークラブ。
経営不振による閉鎖危機を乗り越える為に、ショークラブの建物はそのままに
「空中権」のみを売却。そして、ショークラブの危機を乗り超えることができたという内容。

女性向きの映画ですが、ご興味ある方は是非。

 

更新日時2013年2月17日 17:58