2013年2月アーカイブ

【空中権売買・東京駅駅舎建築費用500億円を捻出した事例】

今回は、「空中権」に関してのコラムです。


最近、リニューアルされた東京駅丸の内側駅舎。

1914年に竣工した駅舎を全面改装し、今回の開業となりました。
この全面改装費用として500億円がかかりましたが、
JR東日本はその費用の大半を「空中権」売却により捻出しました。



さて、では「空中権」とは何なのでしょうか?





まず 「 空 中 権 」 とは、2つの意味があります。


まず1つめの意味としては、「空中を使う権利」。地上権とも言いますが、
自己の土地の地上や地下を独占的に利用する権利です。


つぎの2つ目の意味としては、今回のコラムでの主題である「未利用の容積率」を第三者に利用させる権利の事です。
未利用の容積率がある場合、ある条件を満たした場合、その容積率の一部を売却する事が可能です。
今回、3階建ての東京駅は未利用の容積率を外部に売却し、その工事費用に充当しました。


■容積率売買の例


【空中権売買前】

A敷地   敷地1000坪 容積率600% (延床面積6000坪が限度。実際は、延床面積4000坪使用) 

B敷地   敷地1000坪 容積率600% (延床面積6000坪が限度) 



【空中権売買後】

A敷地   敷地1000坪 容積率400% (延床面積4000坪使用) 

↓     (容積率200%(延床面積2000坪相当)を、100億円で売却

B敷地   敷地1000坪 容積率800% (延床面積8000坪が限度) 




今回、東京駅は未利用の容積率を近隣にある丸ビルや東京ビルへ約500億円で売却しました。




ちなみに、この空中権売買は、どこでもできる訳ではありません。

一つの敷地内であれば容積率移転は可能ですが、今回の東京駅の様に
近隣のビルへ売却することはできません。

空中権売買を実施するには「特例容積率適用区域」に指定されている
地区のみが可能となります。

※現在「特例容積率適用区域」に指定されている場所は、大手町・丸の内・有楽町地区のみです。



~余談~
2010年公開、クリステイーナ・アギレラ主演のアメリカ映画、「バーレスク」でも
この空中権売買が映画の中で出てきました。

ロサンゼルス市内にある経営不振のショークラブ。
経営不振による閉鎖危機を乗り越える為に、ショークラブの建物はそのままに
「空中権」のみを売却。そして、ショークラブの危機を乗り超えることができたという内容。

女性向きの映画ですが、ご興味ある方は是非。

本日は、たまに質問を受ける借地法の「朽廃」に関してご説明させて頂きます。






まず、「朽廃(きゅうはい)」とは、建物が朽ち使用に耐えれない状態の事を指します。

ご承知の方も多いとは思いますが、借地法第2条には、契約期間満了前であっても、
建物が朽廃した時は借地権は消滅する旨が記載されております。

借地法第2条
「~中略~但シ建物カ此ノ期間満了前朽廃シタルトキハ借地権ハ之ニ因リテ消滅ス」







では、実際に朽廃とは、「建物がどの程度の状態を指すのか?」

ここがわかりづらい点の一つとなります。



まず、指標となるのが裁判所の判例です。

裁判所では、「朽廃」の範囲をかなり狭く解釈する傾向があります。


具体的には、
・自然の推移により、建物の社会的・経済的価値が失われた場合(火事等は含まれません。)
・基礎・柱・壁が腐食し、いつ倒れるかわからない危険な状態。
・建物内部への人の出入りに危険を感じさせる場合。


などが、朽廃の定義となり、裁判所では上記や様々な状況を考慮し総合的に判断します。


よって、例え築年数がかなり古い場合でも、人が現に居住している場合などには
なかなか認められづらいと言えます。

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