2011年11月アーカイブ

「東日本大震災に伴う地表のズレや地殻変動で起こる、測量の問題」

3月11日に震災が発生しましたが、実はこの地震に伴う揺れや地殻変動が生じた事により、首都圏で意外な影響が出ているのですが、ご存じの方はいらっしゃる様でしょうか?

土地家屋調査事務所の先生からお伺いした話なのですが、都内一部地区で、地震の揺れに伴う境界標の破損や、敷地と道路の間に若干の地割れが発生した事に起因する敷地面積の増大・減少などの事態が発生していたとの事です。
特にこの影響は、地盤が軟弱な地区に多く発生してたようです。


また、現在の測量は、平成17年3月の不動産登記法改正に伴い、登記申請に添付する地積測量図の作成にあたっては原則として公共基準点からの測量が必要となっております。

しかしながら、その公共基準点が震災の影響によりずれてしまいました。

国土地理院は、震災直後の3月14日に、公共基準点の閲覧を禁止する措置を実施。
実質的に、公共基準点からの測量が実施できない事態となっております。

また、10月18日に政府は、東日本大震災の影響による地殻変動で、港区麻布台にある「経緯度基準点」が東に約27cm移動、千代田区永田町の「日本水準基準点」が2.4cm沈下したと発表しました。

国土地理院、3月14日発表

【借地権には、なぜ価格があり、なぜ相続税や贈与税の課税対象であるのか?】

疑問に思っている方も多いとは思います。

今回は、そんな「なぜ借地権に価格が付くのか?」との、疑問にお答えしたいと思います。

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まず、借地権の価格を決定する要因として、①正常地代と継続地代との差額 ②土地を長期間占有し使用収益する利益が挙げられます。ここでは、①の正常地代と継続地代との差額に着目したいと思います。

正常地代相当額・・・・・・土地を最有効利用した際に得られる地代
継続地代 ・・・・・・・・・・・いわゆる旧借地法に基づく賃貸借の地代

ここの2つの地代差額が、借地人の経済的利益となり「借地権価格」の形成要因となります。

判り易く言い換えると、例えば・・。
地主であるAさんが、駅前にある40坪の土地を、毎月3万円の地代で借地人Bさんに貸していたと仮定します。
そこにAさんの所にコンビニ出店の話があり、駅前で40坪あるその土地であれば、更地であれば毎月10万円で借りたい。
との話があったとします。

この場合、借地人Bさんは地代相場である10万円ではなく、継続している地代3万円で借り続けているので毎月7万円得をしていることとなります。この7万円が借地人Bさんが毎月得をしている部分であり、これが「借地権の価値」となります。

では、別な例ですが、上記で借地人Bさんが毎月10万円を支払っていたと仮定します。この場合、正常地代と継続地代に差が無い事から、「借地権に経済的な価値は無い」と言えます。(後記、平成14年10月22日東京高等裁判所判例参照)

この場合では、地主さんとしても借地から適正な利益を得ている事から、旧法借地権で貸しているとはいえ金銭的なデメリットは無いと言えます。
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平成14年10月22日、東京高等裁判所の判決文一部抜粋

「本来借地権価格とは、賃借人に借り得があるとき、すなわち適正な地代と実際の地代の差額があるときに、その差額を資本還元した価格である。したがって、適正な地代の額と実際支払い地代の間に差がなく、賃借人に借り得がなければ、借地権はあっても借地権価格は存在しない。」
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財務省では、この価値に着目して課税対象としております。
ちなみに、上記例でいうと10万円と3万円の差額である7万円が借地権の価値と仮定しておりますが、この借り得部分は、商業地ほど高額になるケースが多くなります。
商業地は商業ビルやマンションを建設する事などで、借地人が多額の利益を上げる事が可能である事から、第三者へ貸した場合の正常地代も高額になるケースが多く、実際の支払地代との差額が開く傾向にあります。

財務省はその事を考慮し、商業地ほど借地権割合を多くしており、借地権割合が9割や8割・7割などと、高い借地権割合になる傾向があります。この様に、借地権割合とは、この「継続的な経済的利益」を相続税の課税対象とした割合の事です。

ここまで読んで頂いた方はもう理解できているとは思いますが、借地権割合はあくまでも税務上の話です。
「借地権割合が7割だから、地主さんから3割の価格で底地を買える」とは、思わないで下さいね(笑)

※ここでは、正常賃料との差額を主に述べており、実際には収益還元法など他手法による根拠も必要となります。また、借地権の価格は契約内容等の当事者間の個別的事情によっても異なります。
東日本大震災で被災した方々には、重ねてお見舞い申し上げます。

さて、今回は「東日本大震災」被災地域での不動産売買や不動産評価に関して記載させて頂きます。
ご存じの様に、震災地域では津波により甚大な被害が発生したため、街としての機能が欠如している地域が多く、また、福島県を中心とした原発被害による放射能汚染があり、立ち入りが禁止されている地区もあります。
この様な状態では、通常の不動産売買は成りたちません。

また、国税庁は「調整率」の発表を先日行いました。
ここでの「調整率」とは、「震災特例法」に基づくもので、相続税や贈与税の根拠となる金額です。
宮城県女川町では80%の評価減。原発による警戒区域・計画的避難区域である福島県南相馬市などは、評価0円となっております。

東日本大震災に係る調整率表

「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律(震災特例法)」

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