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借地非訟手続きに関して

『借地非訟』手続きに関して

『借地非訟』とは??

 


借地非訟手続きは、借地借家法・借地非訟事件手続規則に規定された手続きです。
なお、『借地非訟事件』としては、下記のような種類があります。

1.借地条件変更申立

借地契約では、借地上に建築することができる建物用途(居住用・事業用等)や建物構造(堅固・非堅固or木造、鉄骨造等)等に制限を設けている場合があります。 この様な場合、借地権者が条件変更を希望する際には契約条件の変更を土地所有者と合意する必要があります。しかしながら、土地所有者が条件変更に応じない場合、借地権者は借地条件変更の申立をして裁判所が相当と認めれば借地条件変更の裁判を受けることができます。

■木造建物(非堅固建物)を鉄筋コンクリート造建物(堅固建物)に、建替えたいので条件を変更したい場合など。
■「居住用」建物の所有を目的として土地を借りているが、「事業用」建物に利用用途を変更したい場合など。

2.増改築許可申立

借地契約では、借地上に建築を増改築(大規模修繕・増築・建替え等)する際には土地所有者の「承諾」が必要であると定められているケースが多くあります。 その際、増改築に関して土地所有者から承諾を得られない場合、借地人は裁判所に対し、裁判所が相当と認めれば「土地所有者の承諾に代わる増改築の許可」の裁判を受けることができます。

■建物を大幅改修したいが、改修工事に関して、土地所有者の承諾が得られない場合。
■建物を建替えしたいが、土地所有者の承諾が得られない場合。(若しくは、建替承諾料に関して、合意ができない場合等。)

3.賃借権譲渡・土地転貸許可申立

借地権者は、借地上建物を第三者へ譲渡(売却)する事ができますが、その際には土地所有者の承諾が必要になります。(民法612条)その際、土地所有者から承諾を得られない場合、裁判所が相当と認めれば、土地所有者の承諾に代わる許可の裁判を受けることができます。

■借地上建物(借地権)を売却したいが、土地所有者に承諾してもらえない場合等。

※なお、上記に関わらず土地所有者は第三者に優先して上記借地上建物(借地権)を裁判所が決めた価格にて買取る事ができます。これを介入権と呼びます。

4.競(公)売に伴う土地賃借権譲渡許可申立

裁判所の競売(もしくは行政庁の公売)にて、借地権建物を買い受けた人は、土地所有者と「土地賃貸借契約」を締結する必要があります。 しかしながら、土地所有者が契約締結に同意しない場合、買い受けた人は裁判所に賃借権譲受許可の申立をし、裁判所が相当と認めれば土地所有者の承諾に代わる許可の裁判を受けることができます。

■競売にて借地権付建物を購入したが、土地所有者が「土地賃貸借契約」に応じてくれない場合等。

※なお、上記に関わらず、土地所有者は第三者に優先して上記借地上建物(借地権)を裁判所が決めた価格にて買取る事ができます。これは、上記「賃借権譲渡・土地転貸許可申立」と同じです。

 

『借地非訟』に関しては、名前の通り借地に関する事件のみを取扱いとなります。
よって、借地でなく、 『借家の賃借権を譲渡したい。』などの場合には、借地非訟を申立することはできません。また、「地代が安いので、高くしたい」「地代を支払って貰えないので、土地賃貸借契約を解除したい」などの、上記に当てはまらない場合には、通常の調停や訴訟となります。
また、裁判所は各種承諾料の支払いや、地代の改定などの付随事項に関しても決めることが出来ます。

参考:借地非訟手続きに要する期間の目安
借地非訟手続きに関する期間の目安としては、申立から決定まで、約7~9か月が一応の目安となります。(東京地方裁判所民事第22部の場合)

 

※「非訟」という言葉は、「訴訟事件ではない」との意味ですが、裁判所の事件類型の一つです。
※借地非訟や調停は法律業務になる為、当社では取扱いができません。なお、ご希望により弁護士や不動産鑑定士の先生をご紹介する事が可能です。

 ただ、裁判所に頼る方法はデメリットもあります。詳しくは、下記をご参照下さい。